診療科・部門等紹介

泌尿器科

特色

当科では常勤医師5名と非常勤医師が診療を担当しております。排尿障害や尿路結石などの良性疾患をはじめ、地域がん診療連携拠点病院としての責務を果たすべく、前立腺がん、腎がん、膀胱がんといった悪性疾患まで幅広く、安全で質の高い医療を提供することを心がけています。毎週、症例検討カンファレンスと手術標本に対する病理カンファレンスを行い、患者さん個々に対する診断・治療を含めた包括的医療の実践に努めています。さらに、低侵襲な手術を目指して、腹腔鏡手術だけでなく、2020年よりロボット支援下手術(ダヴィンチ手術)を導入し、多くの症例の治療にあたっています。

★ダヴィンチ手術についてはこちらをご参照ください。

代表的な疾患・病態と診療内容

  • 顕微鏡的血尿(尿潜血)
    健康診断や人間ドックで指摘を受け、多くの患者さんが受診します。尿沈渣検査、尿細胞診検査、超音波検査などを実施します。その多くは治療を要しませんが、状況に応じてCT検査や膀胱内視鏡検査などで調べるケースもあります。
  • 肉眼的血尿
    顕微鏡的血尿と異なり、目で見てはっきりと赤い色の尿とわかる状態です。この場合、尿路結石や尿路悪性腫瘍(膀胱がん、尿管がん、腎盂がん)など、治療を要する疾患が見つかることがあります。
  • PSA(前立腺特異抗原)高値
    前立腺がん検診の普及により、多くの患者さんがPSA高値で受診されます。PSAの基準値は一般的には04ng/mLですが、いわゆるグレーゾーン(410ng/mL)の場合、前立腺がんと診断される可能性は20-30%程度あります。まずはMRI検査での画像評価を行い、必要に応じて23日程度の入院の上、前立腺生検という検査を行います。当院では、ダヴィンチ手術も導入されていることから、診断から治療までスムーズに進めていくことができます。
  • 尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)
    女性に多い膀胱炎のほか、発熱を伴う尿路感染症の患者さんが多く受診されます。多くは保存治療(抗生剤の内服や、入院での点滴治療)で軽快しますが、尿管結石などで腎臓から膀胱まで、尿がうまく流れていないケースには、尿路ドレナージ(尿管ステント留置や腎瘻造設)が必要になります。
  • 尿路結石症(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)
    強い痛みの発作と血尿が特徴です。まずは内服薬や点滴での鎮痛をはかります。発熱があり、尿路感染症が疑われる場合には入院の上、上述した尿路ドレナージを緊急で施行するケースもあります。結石が小さい場合には自然に排出されることもありますが、排石されない場合には、レーザーを用いた内視鏡手術(経尿道的尿管結石砕石術)や体外衝撃波による結石破砕(ESWL)を予定します。
  • 前立腺肥大症
    加齢に伴い前立腺が肥大することが知られており、50歳以上の男性の約5人に1人が前立腺肥大といわれています。排尿困難や頻尿、残尿感などの症状を伴います。内服薬での治療で改善することも多いですが、症状に応じて手術治療も検討されます。当院では手術治療として経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を行っています。
  • 泌尿器悪性腫瘍
    人間ドックや検診の普及によって、自覚症状を伴わずにがんがみつかるケースが増えてきました。早期がんについては手術治療を含め根治を目指しますが、進行症例については薬物療法が中心になります。手術治療においてはダヴィンチ手術を筆頭とした低侵襲化が進んでおります。また、近年の薬物療法の進歩は目覚ましく、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬などの新しい治療薬が増えてきました。地域がん診療連携拠点病院として、どのステージにいても、エビデンスに則った適切な治療を提案してまいります。
  1. 前立腺がん
    前立腺がん検診の普及により、前立腺がん患者数が増加しています。根治治療としての前立腺全摘術を行いますが、ダヴィンチ手術も導入され、年間約30例以上と県内施設でも有数の症例数となっております。
  2. 腎がん
    根治治療として手術を行います。小径の腎がんであれば、腎臓を部分的に摘出する腎部分切除術を行います。ダヴィンチ手術により、正確で安全な手術が可能になりました。腫瘍のサイズや位置によっては、腎臓の全摘除が必要になりますが、主に腹腔鏡下手術を行っております。転移を伴う場合は、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬による薬物療法が中心になります。
  3. 腎盂尿管がん
    根治治療として患側の腎臓と尿管を摘出する手術(腎尿管全摘術)を行います。主に腹腔鏡での手術を行いますが、2022年からロボット支援下手術が保険適応となり、症例に応じてダヴィンチ手術を実施します。手術の前後に化学療法(抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤)を使用することもあります。転移を伴う場合や術後の再発には薬物療法が中心になります。
  4. 膀胱がん
    膀胱腫瘍の90%以上が膀胱がんです。症例の多くは表在性膀胱がんですが、まずは内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-Bt)で正確な診断をつける必要があります。ステージに応じて、術後追加治療(2回目のTUR-Bt、抗がん剤膀胱注入療法、BCG膀胱注入療法など)が必要になります。膀胱温存不可能な浸潤がん症例に対しては、根治手術として膀胱全摘除術を行います。それに伴い尿路変向術(回腸導管、尿管皮膚ろう、代用膀胱)が必要になります。手術の前後に化学療法(抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤)を使用することもあります。転移を伴う場合や術後の再発には薬物療法が中心になります。
  5. 精巣がん
    比較的頻度の少ない腫瘍ではありますが、青年~壮年に好発する腫瘍であり、完治を目指して治療を行います。患側の高位精巣摘除術に始まり、遠隔転移があれば標準治療としてすでに確立されている強力な化学療法等が必要となります。

導入機器

体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)...尿路結石の治療に使用します。

ホルミウムレーザー装置...尿路結石の手術などに使用します。

電解質溶液下経尿道的切除術(TURis)...膀胱癌や前立腺肥大症の手術に使用します。

腹腔鏡手術システム...腎腫瘍や副腎腫瘍の手術に使用します。

Da Vinci X サージカルシステム...以下の手術の際に使用します。

 ・前立腺癌に対する前立腺全摘除術

 ・腎腫瘍に対する腎部分切除術

 ・腎盂・尿管がんに対する腎尿管全摘除術(症例によります)

 ・腎癌に対するに対する腎摘除術(症例によります)

担当医師予定表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日

【AM】

増田・新井

【PM】

新井

【PM】八木澤

【AM】

増田・新井

【PM】

柳澤・増田

【AM】

柳澤・八木澤

【PM】

柳澤

【AM】

始関

【PM】

始関

備考

完全予約制。紹介制。連携予約室にて御予約下さい。

スタッフ紹介

医師名 役職・職位 認定医等 専門分野

柳澤 充

部長

医学博士

日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医・専門医

泌尿器腹腔鏡技術認定医

泌尿器癌、排尿障害、尿路結石症、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術

増田 広

前立腺疾患

センター長

医学博士

日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医・専門医

日本性感染症学会 認定医

日本透析医学会 透析指導医・専門医

日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

泌尿器腹腔鏡技術認定医

 日本内視鏡外科学会 技術認定医

 多発性嚢胞腎認定医

泌尿器癌、前立腺疾患、尿路結石症、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術、血液浄化療法

新井 隆之

副部長

医学博士

千葉大学特任講師

日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医・専門医

泌尿器腹腔鏡技術認定医

泌尿器ロボット支援手術プロクター(da Vinci)

 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

泌尿器癌、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術、癌ゲノム研究

八木澤 奈津希

医師

泌尿器一般

雨宮 佑樹

医師

泌尿器一般

始関 吉生

医師(非常勤)

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