泌尿器科
特色
当科では常勤医師7名と非常勤医師が診療を担当し、排尿障害や尿路結石などの良性疾患から、前立腺がん・腎がん・膀胱がんなどの泌尿器悪性腫瘍まで幅広い診療を行っています。
当院は、地域がん診療連携拠点病院としての責務を果たすべく、安全で質の高い医療を提供することを心がけています。毎週、症例検討カンファレンスと手術標本に対する病理カンファレンスを行い、患者さん個々に対する診断・治療を含めた包括的医療の実践に努めています。
手術治療では患者さんの身体的負担をできるだけ少なくすることを重視し、腹腔鏡手術に加えて2020年よりロボット支援下手術(ダヴィンチ手術)を導入しています。低侵襲で安全性の高い医療の提供に努めています。
★ダヴィンチ手術についてはこちらをご参照ください。
当科の強み
地域医療機関との連携
地域のクリニックや医療機関と密に連携し、紹介患者さんの受け入れを積極的に行っています。検査や手術、入院治療が必要な症例に迅速に対応し、治療後は紹介元医療機関へ円滑に逆紹介を行うことで地域医療に貢献しています。
ロボット支援手術
熟練した指導医のもと、前立腺がんや腎腫瘍などに対するロボット支援手術を積極的に行っています。高い精度と低侵襲性を両立した手術により、患者さんの身体的負担の軽減を図っています。
前立腺肥大症に対する低侵襲治療
前立腺肥大症に対して、患者さんの状態や希望に応じた低侵襲治療を行っています。当院では
- WAVE治療(経尿道的水蒸気治療)
- UroLiftシステム
- TUEB(経尿道的前立腺核出術)
などの治療を行い、症状改善と身体負担の軽減を目指しています。
診断精度向上への取り組み
膀胱腫瘍手術(TURBT)や前立腺生検において診断精度の向上に努めています。
- アラグリオ®を用いた光力学診断(PDD)
- MRI画像fusion前立腺生検
などの技術を活用し、より正確な診断と適切な治療につなげています。
受診をおすすめする症状
次のような症状や指摘があった場合は泌尿器科受診をおすすめします。
- 尿に血が混じる(血尿)
- PSA高値を指摘された
- 尿が出にくい、排尿に時間がかかる
- 頻尿、夜間頻尿
- 残尿感
- 側腹部痛
- 繰り返す尿路感染症
代表的な疾患・病態と診療内容
- 顕微鏡的血尿(尿潜血)
健康診断や人間ドックで指摘を受け、多くの患者さんが受診します。尿沈渣検査、尿細胞診検査、超音波検査などを実施します。その多くは治療を要しませんが、状況に応じてCT検査や膀胱内視鏡検査などで調べるケースもあります。
- 肉眼的血尿
顕微鏡的血尿と異なり、目で見てはっきりと赤い色の尿とわかる状態です。この場合、尿路結石や尿路悪性腫瘍(膀胱がん、尿管がん、腎盂がん)など、治療を要する疾患が見つかることがあります。
- PSA(前立腺特異抗原)高値
前立腺がん検診の普及により、多くの患者さんがPSA高値で受診されます。PSAの基準値は一般的には0~4ng/mLですが、いわゆるグレーゾーン(4~10ng/mL)の場合、前立腺がんと診断される可能性は20-30%程度あります。まずはMRI検査での画像評価を行い、必要に応じて2泊3日程度の入院の上、前立腺生検という検査を行います。当院では、ダヴィンチ手術も導入されていることから、診断から治療までスムーズに進めていくことができます。
- 尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)
女性に多い膀胱炎のほか、発熱を伴う尿路感染症の患者さんが多く受診されます。多くは保存治療(抗生剤の内服や、入院での点滴治療)で軽快しますが、尿管結石などで腎臓から膀胱まで、尿がうまく流れていないケースには、尿路ドレナージ(尿管ステント留置や腎瘻造設)が必要になります。
- 尿路結石症(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)
強い痛みの発作と血尿が特徴です。まずは内服薬や点滴での鎮痛をはかります。発熱があり、尿路感染症が疑われる場合には入院の上、上述した尿路ドレナージを緊急で施行するケースもあります。結石が小さい場合には自然に排出されることもありますが、排石されない場合には、レーザーを用いた内視鏡手術(経尿道的尿管結石砕石術)や体外衝撃波による結石破砕(ESWL)を予定します。
- 前立腺肥大症
加齢に伴い前立腺が肥大することが知られており、50歳以上の男性の約5人に1人が前立腺肥大といわれています。排尿困難や頻尿、残尿感などの症状を伴います。内服薬での治療で改善することも多いですが、症状に応じて手術治療も検討されます。当院では手術治療として経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を行っています。
- 泌尿器悪性腫瘍
人間ドックや検診の普及によって、自覚症状を伴わずにがんがみつかるケースが増えてきました。早期がんについては手術治療を含め根治を目指しますが、進行症例については薬物療法が中心になります。手術治療においてはダヴィンチ手術を筆頭とした低侵襲化が進んでおります。また、近年の薬物療法の進歩は目覚ましく、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬などの新しい治療薬が増えてきました。地域がん診療連携拠点病院として、どのステージにいても、エビデンスに則った適切な治療を提案してまいります。
- 前立腺がん
前立腺がん検診の普及により、前立腺がん患者数が増加しています。根治治療としての前立腺全摘術を行いますが、ダヴィンチ手術も導入され、年間約30例以上と県内施設でも有数の症例数となっております。
- 腎がん
根治治療として手術を行います。小径の腎がんであれば、腎臓を部分的に摘出する腎部分切除術を行います。ダヴィンチ手術により、正確で安全な手術が可能になりました。腫瘍のサイズや位置によっては、腎臓の全摘除が必要になりますが、主に腹腔鏡下手術を行っております。転移を伴う場合は、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬による薬物療法が中心になります。
- 腎盂尿管がん
根治治療として患側の腎臓と尿管を摘出する手術(腎尿管全摘術)を行います。主に腹腔鏡での手術を行いますが、2022年からロボット支援下手術が保険適応となり、症例に応じてダヴィンチ手術を実施します。手術の前後に化学療法(抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤)を使用することもあります。転移を伴う場合や術後の再発には薬物療法が中心になります。
- 膀胱がん
膀胱腫瘍の90%以上が膀胱がんです。症例の多くは表在性膀胱がんですが、まずは内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-Bt)で正確な診断をつける必要があります。ステージに応じて、術後追加治療(2回目のTUR-Bt、抗がん剤膀胱注入療法、BCG膀胱注入療法など)が必要になります。膀胱温存不可能な浸潤がん症例に対しては、根治手術として膀胱全摘除術を行います。それに伴い尿路変向術(回腸導管、尿管皮膚ろう、代用膀胱)が必要になります。手術の前後に化学療法(抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤)を使用することもあります。転移を伴う場合や術後の再発には薬物療法が中心になります。
- 精巣がん
比較的頻度の少ない腫瘍ではありますが、青年~壮年に好発する腫瘍であり、完治を目指して治療を行います。患側の高位精巣摘除術に始まり、遠隔転移があれば標準治療としてすでに確立されている強力な化学療法等が必要となります。
泌尿器悪性腫瘍
近年は検診や画像検査の普及により、症状のない段階でがんが発見されるケースも増えています。
早期がんでは手術による根治治療を目指し、進行がんでは薬物療法を中心とした治療を行います。免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬など新しい治療法も登場しており、エビデンスに基づいた治療を提供しています。
前立腺がん
根治治療としてはda vinch Xを用いた前立腺全摘除術や放射線治療科と協力して放射線治療を行っています。進行癌や再発に対してはホルモン治療や抗がん剤治療などの薬物療法を中心に治療を行います。
手術の場合にはロボット支援手術により低侵襲で精度の高い手術が可能となっております放射線治療の場合には事前に直腸ハイドロゲルスペーサー挿入術などを行い合併症の予防に努めています
腎がん
腎部分切除術または腎摘除術を行います。腹腔鏡手術やロボット支援手術により低侵襲治療を行っています。進行がんに対してはさまざまな薬剤を組み合わせ最適な薬物療法を行っています。
腎盂・尿管がん
腎尿管全摘術を標準治療として行います。腹腔鏡手術またはロボット支援手術で実施します。
膀胱がん
多くは血尿を契機に発見されます。まず経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)で診断と治療を行い、病期に応じて追加治療を行います。進行がんに対しては手術の前後で抗がん剤による治療を行い、ロボットを用いた膀胱全摘を行っています。
膀胱摘出後は新たな尿の通り道を作る必要があり、状況応じて回腸導管や尿管皮膚ろう造設術などを行っています。
精巣がん
青年〜壮年に好発する腫瘍です。高位精巣摘除術を行い、必要に応じて化学療法を組み合わせて治療を行います。
当科で行っている主な手術
- ロボット支援手術
- 腹腔鏡手術
- 開腹手術
- 内視鏡手術
- 結石手術
- 前立腺手術
患者さんの身体的負担を軽減する低侵襲手術を中心に、安全で確実な手術を行っています。
導入機器
体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)
尿路結石の治療に使用します。
ホルミウムレーザー装置
尿路結石の内視鏡手術などに使用します。
電解質溶液下経尿道的切除術(TURis)システム
膀胱がんや前立腺肥大症の手術に使用します。
Rezumシステム(経尿道的水蒸気治療)/ UroLiftシステム
前立腺肥大症に対する低侵襲治療に使用します。
BiopSeeシステム
MRI画像fusion前立腺生検に使用し、前立腺がんの診断精度向上に役立てています。
Aladuck405®
アラグリオ®を用いた光力学診断(PDD)に使用し、膀胱がんの検出精度向上に役立てています。
腹腔鏡手術システム
腎腫瘍や副腎腫瘍の手術に使用します。
Da Vinci X サージカルシステム
以下の手術に使用しています。
- 前立腺がんに対する前立腺全摘除術
- 膀胱がんに対する膀胱全摘術
- 腎がんに対しする腎部分切除術/腎摘除術(症例によります)
- 腎盂・尿管がんに対する腎尿管全摘除術(症例によります)
- 腎盂尿管狭窄症に対する腎盂形成術
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2025年度 主な手術件数
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前立腺
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ロボット支援前立腺全摘術
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56件
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前立腺生検
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224件
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経尿道的前立腺切除術
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7件
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低侵襲前立腺肥大症手術
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15件
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腎・副腎
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ロボット支援腎部分切除術
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29件
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ロボット支援腎盂形成術
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4件
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腹腔鏡下腎(尿管)・副腎摘出術
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19件
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膀胱
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ロボット支援膀胱全摘術
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13件
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開腹膀胱全摘術
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1件
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経尿道的膀胱腫瘍切除術
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91件
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尿路結石
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経尿道的結石破砕術
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85件
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体外衝撃波結石破砕術
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39件
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担当医師予定表
- 備考
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完全予約制。紹介制。連携予約室にて御予約下さい。
スタッフ紹介