- 県内屈指の症例数と専門性の高い医療
脊椎外科・関節外科・スポーツ整形外科・手の外科・外傷治療等の各分野において県内屈指の症例数を誇り、専門性の高い診療を提供しています。脊椎・腰痛センター、人工関節センターは歴史も長く高い評価を受けております。スポーツ医学センターでは最新かつ最適な治療の提供に加え、複数の科とともに地域スポーツ大会・イベントの支援などを行っております。
脊椎・腰痛センター:年間300例以上の手術が行われており、主に、腰部脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア(頸椎~腰椎)・神経根症・外傷(脊髄損傷・椎体骨折・脱臼)・転移性脊椎腫瘍などに対して、4名の専門医・指導医のもと、適切な治療方針(保存加療・手術加療)の見極めと、豊富な経験に基づく精度の高い手術、術中CT(O-arm)やナビゲーション・神経モニターを用いた安全かつ最先端の治療を提供しております。また、脊椎前後合併手術等の大掛かりで難易度の高い手術を行う一方で、内視鏡を用いた低侵襲手術にも積極的に取り組んでいます。
人工関節センター:年間200例前後の手術が行われており、主に変形性関節症、関節リウマチ、骨壊死症等の疾患に対し、人工膝関節置換術、人工股関節置換術、人工肩関節置換、人工肘関節置換術、人工足趾置換術等を行っています。人工膝関節置換術では日本製の機種を他の病院に先駆けて導入し、低侵襲な手技とあいまって良好な屈曲角度が得られており、人工股関節置換術では脱臼率の低さと感染率の低さを含めて大変安定した手術成績が得られています。また術後の静脈血栓、肺塞栓予防の研究、実践は国内、国外で高い評価を受けており、確実で安全な治療を行っています。
スポーツ医学センター:インターナショナルレベルのチームサポート(ラグビー日本代表など)・大会サポート(ラグビーワールドカップ2019日本大会など)の経験をもとに、保存治療から手術治療まで幅広い治療を提供しています。また、市原市・当院スポーツ医学センターと連携し、市原市に拠点を置くプロスポーツチーム所属選手に対する外傷治療の支援も行っております。
手外科:日本手外科学会認定研修施設基幹病院に認定されており(リンク:別ファイル参照)、手外科専門医による高度な医療を行っています。神経、腱、血管をふくめた複合組織損傷から、ばね指まで幅広く対応し、神経麻痺等の機能障害に対しても、機能再建術含めた医療を提供いたします。また、ばね指や手根管症候群に対しては侵襲の少ない手術による早い社会復帰を実現し、Dupytren拘縮に対しては手術から薬剤治療まで最先端の治療を行っています。
肩関節・肘関節:肩関節治療の経験豊富な専門医が、若年者の野球肘や投球障害肩や反復性肩関節脱臼から、比較的高齢者に多い腱板損傷まで、幅広い診療を行っております。腱板損傷に対しては、関節鏡手術(腱板修復術)を施行し、重度の腱板損傷や変形性肩関節症に対しては、従来の人工肩関節置換術や2014年から本邦に導入された新しい人工関節であるリバース型人工肩関節全置換術を行っています。リハビリは地域のクリニック等と連携して行っております。
スポーツ外傷・障害:
- 下肢のスポーツ傷害:膝関節・足関節を中心に、靱帯損傷・変形性関節症・半月板損傷・遊離体などに対して、関節鏡手術や骨切り術(外部リンク)など、運動復帰を目標とした積極的な治療を行っております。靭帯再建術では関節鏡を用いた解剖学的再建手術を行っており、比較的若年者の変形性膝関節症には関節を温存する骨切り術も行っています。また、軟骨損傷・離断性骨軟骨炎に対しての自家培養軟骨細胞移植術(JACC外部リンク)の実施認定施設となっており、最新の知見に基づいた先端医療を提供しております。
- 上肢のスポーツ傷害: 肩関節・肘関節について、専門の医師が関節鏡手術を中心に、反復性肩関節脱臼・腱板損傷・野球肘・投球障害肩などに対して、保存治療・手術適応を見極め、必要に応じて積極的な治療を行います。手術後は歩行可能なため、入院も短期間となっており、患者様に負担の少ない治療に努めております。
外傷:骨折治療の経験が豊富な専門医とともに治療にあたります。また、昨今増加している高齢者の骨折に対しては、骨折治療のみならず、骨粗鬆症学会認定医のもと、骨折の原因となる骨粗鬆症に対する積極的な治療も行い、その後の骨折予防にも努めております。
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地域医療への貢献
初診患者様には、原則として近隣クリニック等からの紹介状をお持ちいただくようにお願い致しております。 紹介状をお持ちの方は、可能であれば地域医療連携室を通じての予約をお取りいただき、受診までのスムーズな流れを可能としております。特に人工関節センター初診(月曜午前、清水医師)される患者様は、初診予約制を完全導入して待ち時間の短縮をはかっておりますので、御理解と御協力の程よろしくお願い申し上げます。
緊急処置が必要と考えられるような、高エネルギー外傷・骨折や、麻痺などを伴う症例の受け入れにも、重症救命科と協力しながら積極的に取り組んでおり、複数の診療科と連携して最良の医療を提供しています。また、リハビリテーション科の協力のもとに患者様の早期社会復帰の実現にも努めています。
- 地域病診連携
県内はもとより、全国からの紹介患者を受け入れています。特に当院近隣の市原市・千葉市・袖ヶ浦市・茂原市・東金市・長生地区からは、脊椎疾患・関節疾患・外傷を中心に多くの症例をご紹介いただいています。また、救急要請にも積極的に対応して救急患者を多く受け入れており、放射線部の協力のもと3テスラMRI2台およびCT2台を駆使して救急患者の画像検査に対応しています。
手術などの急性期治療から回復期に移行する時点では、リハビリテーションをより集中して行うことを目的に、状態が落ち着いた時点で地域の回復期リハビリテーション病院への転院も促進しております。日常生活や社会生活への復帰を目標に長期的視点のもと、地域医療連携を構築して最良の医療をシームレスに提供することを可能にしております。
地域の先生方との交流を図るため、整形外科地域連携の会を定期的に開催しています。市原地区・茂原東金地区・千葉市緑区の先生方を中心に千葉県中の先生方と、当院での整形外科医療についての情報交換や最新の治療法に関する情報の共有を行っています。参加されるのは整形外科の先生のみならず内科・外科・消化器科・脳神経外科・小児科・婦人科など多岐にわたっており、一般開業医の先生方向けに最新の知見・話題を提供しています。また、当院整形外科医師と千葉大学整形外科が中心となり、運動器エコーに関する研究会を開催しております。診断法から安全なエコーガイド下神経ブロックまで最新の技術を皆様にご提供・御体験いただき、地域の医療レベルの向上に貢献しております。
- 市民啓蒙活動
主として膝関節疾患や股関節疾患、人工関節手術に関しての市民公開講座を、8年前より年に2回、五井地区、茂原地区、おゆみの地区、蘇我地区などで開催しています。1回の講座には150~200名前後の市民の方の参加があり、「大変わかりやすかった。疑問が解決された。」などと好評を博しています。詳細は当院医療連携室または新聞のチラシ等でご確認ください。
- 学会・研究活動
学会・研究活動にも積極的に取り組んでいます。清水部長は過去にアメリカ整形外科学会(AAOS)で学会賞を受賞するなど国内・海外の多方面で活躍されています。山縣前副院長は2015年11月開催の第23回日本腰痛学会の会長も務められ、2021年にはアジア最小侵襲脊椎外科学会会長を務める予定です。そのほか、脊椎・人工関節・関節鏡・手の外科・スポーツ医学・骨折治療など多くの学会発表を行い、医学の発展にも寄与しております。
現在も下記に示す多施設共同の治験・臨床研究にも参加しております。当院では、通常臨床研究を実施する際には文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施します。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入がなく診療情報等の情報のみを用いる研究、余った検体のみを用いる研究は、国が定めた指針「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づき、対象となる患者さま全員の方から個別に直接同意を得る必要はありませんが、研究に関する情報を公開し、さらに拒否の機会を保証することが必要とされています。これを「オプトアウト」といいます。オプトアウトを行う臨床研究で、研究への参加をご希望されない場合には、受診時に担当医師・研究担当者までお知らせください。
- 運動器外傷診療の質向上と早期社会復帰を目指した調査研究(PDFファイル:リンク)
- 日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究について(オプトアウト)(要関連文書:リンク)
- 高齢化社会における大腿骨近位部骨折治療の改善、進歩への改革を目的としたNPO法人日本脆弱性骨折ネットワークの大腿骨近位部骨折データベース(https://ffn.or.jp/database/)(外部リンク)への参加登録について(オプトアウト)(整形外科で手術を受けられる患者さんへ:リンク),(日本版National hip fracture database(NHFD)-Japan 登録データ削除申請書:リンク)
特色
担当医師予定表
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
---|---|---|---|---|
初)神野 初)池田(脊椎) 初)濱田(剛) |
初)中島(脊椎・骨粗鬆症) 初)阿部(手外科) 初)守屋(拓)(スポーツ・下肢) 初)田山 |
初)秋本(スポーツ・上肢) |
初)阿部(手外科) 初)守屋(拓)(スポーツ) |
初)橋本(脊椎) 初)阿部(手外科) 初)斎藤 |
再)橋本 再)濱田(剛) |
再)阿部 再)守屋(拓) 再)田山 |
再)池田 |
再)中島 |
再)神野 再)阿部(午前のみ) 再)秋本(午前のみ) 再)斎藤 |
- 備考
-
- 紹介制予約制
- 初)は初診担当、再)は再来担当となります。
- 火曜日・金曜日の阿部、火曜日の守屋は各医師宛の紹介状がある方のみ対応。
スタッフ紹介
医師名 | 役職・職位 | 認定医等 | 専門分野 |
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池田 義和 |
部長 人工関節センター長 勤労者脊椎・腰椎センター長 医学博士 |
|
脊椎外科 |
中島 文毅 |
部長 スポーツ医学センター長 医学博士 |
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脊椎外科、骨折、骨代謝・骨粗鬆症 |
橋本 光宏 |
部長 医学博士 |
|
脊椎外科 |
阿部 圭宏 |
部長 医学博士 |
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手の外科、骨折、外傷、microsurgery、機能再建外科 |
守屋 拓朗 |
副部長 医学博士 |
整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医 AOTrauma 上級会員 World Rugby Licensed Medical Trainer PreHospital Immediate Care In Sports(PHICIS)Level3、インストラクター 一般社団法人PHICIS JAPAN理事 千葉県スポーツ協会理事科学委員会委員 千葉県ラグビーフットボール協会理事・医務委員長 スーパーラグビー・サンウルブズメディカルアドバイザー(2020) 臨床研修指導医 千葉大学医学部付属病院スポーツメディクスセンター外部スタッフ 千葉大学非常勤講師 |
膝関節、関節外科、関節鏡、スポーツ医学、骨折、外傷 |
秋本 浩二 |
医長 医学博士 |
整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター 日本整形外科学会 認定リハビリテーション医 臨床研修指導医 |
スポーツ整形外科、関節鏡、上肢(肩関節・肘関節)、外傷 |
神野 敬士朗 |
医師 医学博士 |
整形外科専門医 日本スポーツ協会公認スポーツドクター 日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医 |
股関節、膝関節、外傷 |
濱田 剛史 |
医師 |
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齋藤 隼 |
医師 |
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田山 将暉 |
医師 |
日本整形外科学会会員 |
整形外科一般 |
学会認定施設
主な疾患
脊椎外科:
腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症・神経根症、頸椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症、変性側弯症・後弯症、脊髄損傷・脊椎外傷
関節外科、人工関節:
変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性足関節症、変形性肘関節症、関節リウマチ、骨壊死
スポーツ整形外科:
前十字靭帯損傷、半月板損傷、反復性膝蓋骨脱臼、離断性骨軟骨炎(自家培養軟骨細胞移植術実施認定施設)、反復性肩関節脱臼、腱板損傷、投球障害肩、野球肘、肉離れ・靭帯損傷(高気圧酸素治療とは・高気圧酸素治療受診案内・PDFファイル)
手外科:
上肢骨折・外傷、絞扼性神経障害、Dupuytren拘縮、腱損傷、ばね指
上肢(肩・肘):
腱板損傷、肩関節脱臼、変形性肩関節症、拘縮肩、投球障害肩、野球肘、関節内遊離体
外傷:
骨折、脱臼、靭帯損傷、腱損傷
令和2年度手術症例数
件数(件) | ||
---|---|---|
脊椎手術 | 282 | |
腰椎 | 186 | |
腰椎内視鏡 | 34 | |
頸椎 | 45 | |
胸椎 | 17 | |
人工関節手術 | 206 | |
膝関節 | 114 | |
膝関節再置換術 | ||
股関節 | 74 | |
股関節再置換術 | 3 | |
肩関節 | 11 | |
肘関節 | 2 | |
足趾 | 1 | |
手関節 | 1 | |
膝関節手術 | 124 | |
関節鏡:靭帯再建術・修復術 | 23 | |
関節鏡:半月板(縫合術・切除術) | 33 | |
関節鏡・そのほか | 36 | |
高位脛骨骨切り術 | 14 | |
その他 | 18 | |
手外科手術 | 289 | |
末梢神経(神経剥離・手根管・肘部管) | 41 | |
腱縫合・腱移行 | 20 | |
マイクロサージャリー(神経縫合・血管縫合) | 2 | |
TFCC損傷・変形性関節症・関節拘縮 | 1 | |
デュプレトレン拘縮・腫瘍等 | 11 | |
腱鞘炎・腱鞘切開(ばね指・ドケルバン) | 34 | |
関節鏡 | 3 | |
手の骨折 | 105 | |
その他 | 72 | |
肩関節手術 | 106 | |
関節鏡肩関節形成術(腱板修復術・関節唇修復術・滑膜切除・骨折など) | 56 | |
人工肩関節(逆置換型/解剖学的人工関節全置換術/人工骨頭挿入術) | 11 | |
骨折(上腕骨・鎖骨) | 33 | |
その他 | 6 | |
関節鏡手術 |
151 |
|
膝(靭帯再建術・修復術、半月板縫合術・切除術、遊離体摘出・その他) | 56 | |
肩関節(腱板修復術・関節唇修復術・その他) | 51 | |
手関節(滑膜切除術・その他) | 3 | |
その他関節鏡(肘・足含む) | 41 | |
骨折手術(上記骨折も含む) | 204 | |
その他の手術 | 71 | |
合計 | 1433 |
日本手外科学会 認定研修施設基幹病院
当科は平成29年2月より日本手外科学会認定研修施設 基幹病院に認定されました。手術用顕微鏡や手関節鏡などを完備しており、皮弁や切断指、神経縫合などのマイクロサージャリ―やTFCC損傷に対する手関節鏡手術も積極的に行っています。
手外科手術は年間200例以上あり、手外科専門医研修カリキュラムに則った研修が可能です。毎月千葉大学病院、千葉市立青葉病院の手外科医と合同カンファレンスを行い、お互いに手術や学会発表などを通じて協力し診察にあたっています。
学会・研究活動では年1回の海外学会を含め、日本手外科学会など年間3~5回行っています。研修医の先生にも発表を行ってもらっています。
当院での手外科研修に興味のある方、お気軽に御連絡ください。
整形外科・手外科専門医 阿部圭宏