重症・救命科では外科的救命救急を実践しています。
特色
当院は2009年11月に救急・集中治療部を創設し、現在までに日本救急医学会認定救急科専門医指定施設、日本集中医療医学会認定集中治療専門医研修施設、災害拠点病院、DMAT指定施設に認定され、2018年より多発外傷・重症患者を専門的に治療する科として重症・救命科の標榜を開始しました。
当院は人口約30万人を擁する千葉県の市原市二次医療圏を統括する災害拠点病院です。3つの保健医療圏の境に位置するため1~3次救急疾患全てに対応する、いわゆる2.5次救急医療機関であり、令和3年度の年間救急搬送件数は当医療圏最多の約5000件で救急基幹病院としての機能を有しています。特に四肢・体幹部の重症外傷や急性期外科手術症例、緊急内視鏡症例などが多く集まり、各科との密接な連携の下、緊急手術やIVRを含む根治的治療、および集中治療を当科にて行っており、地域のセーフティネットとして機能しています。
特に重症外傷症例については、Traumaコールから始まり、初療室開胸/開腹術やREBOAを利用した、ダメージコントロール戦略から集中治療管理、根治的治療までスムーズに実施できる外傷診療システムが構築されています。さらに体外式膜型人工肺(ECMO)を使用した蘇生戦略を数多く実施しており、ECMOコール、ECMOチームなどの体制も整え、理想的な救命救急を実践しています。
~~~ 救急外来(初療室) ~~~
~~~ ICU ~~~
当院ICUは2022年より移転・刷新され、特定集中治療室管理料1を取得するスーパーICUとなり、高度な集中治療を提供します。体制はsemi-closed ICUで、救急集中治療医・集中ケア認定看護師・救急看護認定看護師・ICU担当薬剤師・臨床工学技士・呼吸療法認定士・理学療法士・管理栄養士などの多職種がチームで治療に携わっています。
また当院は、ECPRを含むVA-ECMOだけでなく、重症COVID-19 肺炎などの成人重症呼吸不全症例に対してもVV-ECMOを利用して救命率向上を実現しています。ECMO装置は3台同時稼働でき、シミュレーショントレーニングを定期的に行うことで診療の質を維持しています。
ECMO実績:35例/年(令和3年度)、21例/年(令和2年度)
~~~ 災害医療 ~~~
2017年に地域災害拠点病院の指定を受け、院内にはDMATと呼ばれる災害医療の専門家チームを保有しています。激甚災害指定された2019年の台風15号~21号では、自院も被災しましたが、BCP(事業継続計画)に従って高度な診療機能を維持し、病床拡充を行って積極的に患者を受け入れました。さらに医療圏内を統括するDMAT本部運営を行い、DMATを千葉県内各地へ派遣し、運営継続困難となった病院の避難を指揮するなど、地域内外への貢献を果たしました。