消化器外科は食道・胃、大腸・肛門、肝膵胆、ヘルニアと専門性を持ちつつ、一つのチームとして協力体制のもと診療にあたっています。年間手術件数およそ1,000例程度で、各種消化器癌に対する手術はもとより消化管穿孔や絞拒性イレウス、鼠径ヘルニア嵌頓などを含めた緊急手術にも対応しています。また、内視鏡治療や放射線化学療法にも取り組んでおり、これにより治療において複合的、重層的治療が可能となっております。
消化器癌に対しては腹腔鏡下手術の割合が年々上昇しており、根治性と低侵襲性を高い次元で両立しております。近年では手術支援ロボット(da Vinci®)を用いた手術の件数も増加しており、各癌腫に応じたエキスパートが執刀を担当いたします。
スタッフの充実とともに更に地域の外科医療に貢献できるよう努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。
上部消化管(食道・胃)
食道癌、胃癌などの悪性疾患に関しては、最新の知見に基づいて内視鏡治療、外科治療(開腹、腹腔鏡下)、化学療法(術前、術後)など治療法を選択しております。特に胃癌についてはロボット支援下手術(da Vinci®)を導入し、さらなる低侵襲手術に取り組んでおります。また悪性疾患だけでなく良性潰瘍による穿孔、出血、さらに交通外傷などによる消化管損傷に対する緊急手術にも常時対応しております。
肝・胆・膵
当院は肝胆膵外科学会認定修練施設に認定されており、高度な治療を要する肝胆膵疾患に対する外科治療に対応しております。肝切除術については従来の開腹手術に加え、より低侵襲な腹腔鏡下手術の件数が増えております。また膵疾患についてはロボット支援下手術(da Vinci®)を導入し、さらなる低侵襲化に貢献しております。胆嚢結石症・急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下手術は全国でも有数の症例数を誇り、消化器内科とも連携して結石に対する最良の治療法を提供いたします。手術以外にも、原発性肝癌に対する肝動脈化学塞栓療法や、腹腔内動脈瘤に対するコイル塞栓術なども行っています。
下部消化管(大腸・肛門)
大腸癌(結腸癌、直腸癌)については、90%近くが腹腔鏡下手術で行われており、根治性と安全性の両立に努めております。近年はロボット支援下手術(da Vinci®)の割合も増加しており、さらなる低侵襲化に寄与しております。また悪性疾患だけではなく急性疾患である虫垂炎、大腸憩室炎などについても、緊急手術を含め常時対応可能な体制を敷いております。肛門疾患(痔核、痔瘻、直腸脱など)の治療も行っており、特に直腸脱については最新の治療である腹腔鏡下手術を導入して良好な成績を修めております。
鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、臍ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなど
消化器外科におけるヘルニアとは、いわゆる「脱腸」を指します。鼠径ヘルニアや大腿ヘルニアについては従来の鼠径部切開法に加え、より低侵襲である腹腔鏡下手術の割合が増えております。臍ヘルニアや腹壁瘢痕ヘルニアなどの病変に対しても積極的に腹腔鏡下手術に取り組んでおり、再発率などにおいて良好な成績を残しております。ヘルニア嵌頓(脱出した腸管が還納できない状態)についても常時対応可能であり、緊急手術や還納後の待機手術など、病状に応じて適切に治療方針を決定しております。
手術支援ロボット (da Vinci®)について
Intuitive Surgical社が1990年代に開発した手術支援ロボットであり、既にアメリカはもちろんヨーロッパ、アジア、日本でも数多くの導入実績があります。通常の手術と異なり、執刀医は3Dカメラに映し出された鮮明な立体映像を見ながら手術をします。手術操作を行うロボットアームは医師の手指の動きと完璧に連動し、人の手以上に繊細な動きが可能です。狭い隙間でも自由に器具を操作することが可能なため、従来の腹腔鏡下手術では難しい手技を安全かつスムーズに行うことができます。当科では2022年4月からロボット支援下手術を導入しており、胃癌・大腸癌・肝胆膵疾患に対して着実に手術件数は増加しております。ロボット支援下手術を行う医師や施設には基準があり、当院もこの条件を満たした手術チームを編成して治療に当たっております。安全性と低侵襲性を両立し、患者さんにとって最良と思われる治療を提供する事を目指しております。
外科で現在行っている研究
・上部消化管穿孔に対する保存的加療に及ぼす因子としての骨格筋量評価の有用性」
